海の日ツーリング2025 番外編
遠野市まで同行し、そのあと実家までのソロツーリングに転じた私のもうひとつの海の日ツーリング。
準備不足からの遅刻。。。出だしがつまづくと碌なことがないものです。。。
「さてと」
遠野ICで皆んなと別れてから向かったのは「道の駅 遠野風の丘」。事前に遠野市に詳しい幼馴染にリサーチし「ジンギスカンが食べられるぞ」と聞いていたので、ここでランチで食べようと決めていた。
風車の回る道の駅に到着し駐輪場でエンジンを切る。
朝からまともに食べていなかったので(お肉お肉)と気もはやる。
ところが、財布の入っているリアボックスが開かない。何度ボタンを押してもびくともしない。前の休憩からの出発時にインロックしてしまったらしい。
本当にこの日の私はポンコツだった。
駐輪場では次々にライダーさんがやって来る。私の隣に止まったご年配の男性がスポーツスターを見て声をかけてくれた。
会話を交わす中、思い切って「ところでこれ、インロックしてしまって。。。開け方とか分からないですかねぇ。。。」と尋ねてみる。「ええ!?」災難だねといった感じで近くにいたライダーさん達にも声をかけてくれた。
北上市でピッキングツールを買う案、ホームセンターでドリルを借りて破壊する案、ドライバーでこじ開ける案、皆さんには色々とアドバイスをいただいた。
実はここで問題なのがリアボックスには鍵のほか財布、スマートフォンが入っているということ。つまりお金もクレジットカードもなく、電話も使えず、検索もできないということ。そして何よりガソリンの残量が気にかかる。そんな事情を皆さんに説明すればするほど寸借詐欺師に疑われないか?と余計な心配もする。
困りながらも何気にポケットをあさると、レシートと思っていたのが折り畳んだ1,000円札!
瞬間、私に光明が差し込んだ。
お守りのつもりで突っ込んでおいたお札にまさに救われた。
急に元気になった。
「1,000円あるし行けるところまで行ってみます!!」と伝えると、最初に声をかけてくれた方がアクエリアスをくれた。
500mlを飲み干すあいだに落ち着いてきた私は、親身になってくれたもうひと方のリアボックスにSSTRのゼッケンステッカーが貼られているのを見つけた。そこからSSTRの話題になり、お互いに初参加が同じ年だったことを知る。あれから7年経つけれど改めてライダー同士を繋げてくれるイベントだなと実感した。
さっそく「道中のお守りに」とくださったステッカーをペタリ

実はこの方、今昔亭光草さんはNHK連続ドラマ「あまちゃん」の方言指導をされた方とのこと。それを知ったアクエリアスをくれた方と私、まさに「じぇじぇじぇ!」な状態。(使い方合ってるかな?)
あのとき相談に乗ってくださった皆さん、本当にありがとうございました。
道の駅を後にする。
幼馴染が言うには「江刺田瀬ICまでは無料だ」とのことだったので、再び釜石道を北上市方面へ走る。有料区間に入らないように、北上市内で迷わないように、とにかくガソリンと現金を無駄に減らさぬよう注意を払いながらスタンドに辿り着いた。
「ハイオク満タンで」といつものノリで言ったものの、タンクに吸い込まれるガソリンはあっという間に900円台に突入。そうだった、いつも入れるタイミングよりかなり走っていた事を忘れていた。
「ちょ、ちょっと待って!1,000円しかないので」スタンドのお姉さんの反射神経に感謝である。ついでに横手市までの距離を聞いたら60kmほどとのことで、余裕で実家に辿り着けることを確信した。
それにしても暑い。真昼の気温は36℃を表示していたが、この時点で76円になった所持金ではジュースも買えぬ。アクエリアスを飲んでおいて本当に助かったなぁと心底思った。
北上市から西へ予定通り国道107号線を走る。
かれこれ30年近く走っていなかった道だが、いつの間にか峠が随分と走りやすくなっていた。
夏空の美しい山と川を見ながら、最近亡くなった弟が持っていた写真の地名を通り過ぎる。ずっと昔に友人達とバイクで走りに来ていたらしく、大いに青春している良い写真だった。
私は(順番てあるじゃんよ。。。)としばらく引きずったけれど、最近ようやく涙だけじゃなくて姉らしい小言も言えるまでに回復した。
この日も(姉ちゃんが久しぶりのツーリングに連れてってやるわ!)と思っていたのだけれど。。。まぁ?こんなざまで?カッコ悪いと思ったけれど、優しい弟だったので呆れながらも気長に付き合ってくれただろう(笑)
無事に実家に到着する。
まずは社長の携帯番号だけは暗記していたので連絡し、お互いの無事を確認。それがわかるとパターゴルフの最中だったらしく「もう切るよ」ってあっさり切られた。
目的地が実家だったのは不幸中の幸いで何はともあれご飯食べられるし、寝られるし、現金も拝借できた。
リアボックスについては結局鍵屋さんでも特殊な鍵のため開けられず、着替えが取り出せないことと、コンタクトレンズを外せないことは我慢しなくてはならなかった。
帰りもスマホが使えない状況だったので考えながら走らなければならなかった。
そもそもインロックしなければという話なのだが、旅先での私は鍵を落とすんじゃないか?と不安に駆られやすくなる。大事にしすぎるあまりしまった場所がわからなくなることも少なくないし、今回使い慣れないリアボックスにしまい込んだこともこのメンタルに起因するところ。
またやりかねない。
そこで閃いたのが温泉とかのロッカーの鍵って手首につけるじゃないですか?そう、手首につけとけば紛失に気づかないわけがない!!と。
さっそく「カールバンド」というアイテムを購入。売っているということは私のような人がいるということだ。
「次のツーリングは失敗しない」と装着してみた手首には、変な日焼けができていた。
今回は関わってくれた方々にとても感謝です。
バイクも猛暑の中、よく走ってくれました!
総走行距離 589.6km